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『中国料理用語辞典』 

先般、食品衛生に関する文書を訳していて、調理法や調理機器に関する単語がいろいろ出てきた。そのときに役に立ったのが中国料理用語辞典という本。中国料理の系統(広東とか四川とか)、調理法、メニュー名、食器、酒、お茶、など分野別の語彙収録が半分以上を占め、残りが画数順辞典の体裁となっている。

◆使える点
今回は調理法等の訳し分けが必要だったのだが、この本の説明が参考になった。また、映像翻訳などで料理のシーンが出てきたときも、料理名、素材名、調理法の確認に役立ったことがあった。

◆使えない点
ピンインの総合索引がないのが、翻訳用ツールとしては最大の泣き所。そして、画数順辞典で調べたい単語が見つからないと、前半の分野別収録のページも探さなければならない、という二重の手間になる(ちなみに、各単語には、ピンインとカタカナで読みが併記されている)。

しかし、そもそもこの本はそういう目的で編まれた物ではないと思うので、文句を言うのはお門違いなのだろう。基本的に、「中国語は少ししか(あるいは全然)できないけど中華料理に興味がある人」をターゲットにした本だと思う。実際、ある書店では料理本のコーナーに置いてあったのを見かけた。

うーん、ピンイン総合索引さえあれば、役立ち度がぐっとアップするのだけれど。惜しいなぁ。
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敏感 min3gan3 

2006/3/26付朝日新聞朝刊の「ことば談話室」というコラム(asahi.comには掲載がないようだ)は、中国語の“敏感 min3gan3”の日本語への浸透についてとりあげていた。このコラムでは、「日中間の敏感な問題」というような「敏感」の使い方について、主な国語辞典の解釈とは異なり、「慎重に扱うべき、デリケートな」という意味合いである、という説明をしたうえで、その用法が新聞記事で91年ごろから見られるようになった、という。そして、以下のように述べる。

●朝日新聞の記事
中国側の発言を訳す際に、別の表現に変えずにそのまま「敏感な問題」と使ううち、日本にもこの用法がだんだん広がってきたようだ。

「おお、何だかブログのネタになりそうじゃん」、と思っていたら、Ctransさんのところで、すでに取り上げておられた。

◆Ctransさんの記事
私がこの「敏感な問題」に初遭遇したのは、朝日新聞の記事だったと記憶しています。その時の印象は「漢字に引きずられて訳文が乱れた悪訳」という感じだったんですが、今日のことば談話室では「今では日中関係以外でもしばしば使われる」としてある。ホントかなぁ。「敏感な問題」という言葉を目にするたびに、ものすごい違和感を感じるのは私だけ?


「違和感を感じる」に、私も1票投じたい。

Ctransさんは記事中でさらに、「敏感な問題 -中国」でググった結果へのリンクも掲載しているのだが、ヒットしたのが433件。ついでに私も「敏感な問題」だけでググってみたところ、こちらでヒットしたのは9820件。

つまり、ごく単純にヒット件数の数字だけで見た場合、「敏感な問題」の用例のほとんどは中国がらみということになる。なお、「中国」を含まない433件をざっと見ても、その中には中国語ソースの「敏感」の日本語訳だったり、英語のdelicateの直訳調だったり、というものが若干含まれているようだ。

数的に見る限り、まだ「慎重に扱うべき、デリケートな」という意味の「敏感」の用法は、一般的に定着しているとは思えない。また、私個人としても“min3gan3”と「びんかん」では意味に大きな開きがあると感じる。したがって、少なくとも今の時点では、“敏感的問題”を「敏感な問題」を訳すのは、職業翻訳者としては手抜きではないかと考える。

日本語には「漢文読み下し文」の伝統があるので、中国語の原語に、うまくひらがなをくっつければ何となく文として成立してしまう。原語と日本語で多少ニュアンスが違っても、原語を訳文にそのまま使えば、むしろ「原語に忠実な訳」と受け止められる傾向すらある。

しかし翻訳作業においては、「原語を流用した訳文」だと、何だか原意がちゃんと表出されていないなー、どうにかしなきゃなー、と思うケースの方が、ずっと多いような気がする。どうにかするのが使命だと思って、漢英辞典→英和辞典と引いてみたり、シソーラスを引いてみたりするのだが、結局はこれという訳語が見つからず、次善策的に「原語流用訳文」を採用してしまうこともままある。ニュアンスが何だかちょっと違うんだけどねー、ともどかしさを感じつつ。

ちなみに“敏感的問題”の“敏感”については、「神経をとがらせる」、「神経をピリピリさせる」というようなニュアンスを訳文に出すのが一案ではないかと思う。そして個人的には、「ピリピリ」から、カエルを解剖して神経細胞をむき出しにさせて、そこに電流を流すと足が脳の働きとは無関係に動く、という理科の授業で昔やった実験をつい連想してしまう。となれば、ネットでよく見かける「脊髄反射」という言葉は、実は“敏感”に当たらずとも遠からずなのではないだろうか。

苦労は推察します 

知人で、とあるヨーロッパ言語(英語ではない)の翻訳・通訳をやっている人から、「中国の地名SOS」の電話がかかってきた。現在作業している翻訳で、原文中に中国の地名が出てくるが、その漢字表記を調べようがなく困っている、との由。

地名を2つ尋ねられた。一つはその原文に載っている周辺情報をいろいろ教えてもらったので、頭に「もしかしてこれか」という候補がすぐに浮かび、それをもとに地図帳やウェブを見たら、比較的簡単に調べがついた。だがもう一つは、それっぽいものすら探せなかった。

結果を伝えると、その知人からは丁重なお礼を述べるメールが返ってきた。まあ、私も以前中国語を訳していて、その人の専門とする言語で発行されているある新聞の名称が出てきて、調べきれずに泣きついて助けてもらったので、お互いさまである。

考えてみれば、中国語の発音がわからない日本人が、アルファベット表記された中国の地名の正しい漢字表記を調べるというのは、英和辞典(リーダーズ+プラスとか)に掲載されているものを除いたら、とてつもなく困難なはずだ。しかもそういう表記は、中国式のピンインとは同じでないこともままあるので、ますますやっかいである。現在のところは、中国語がわかる人をつかまえて聞くのが最善の策ということになるのだろう。

もったいない 

あいかわらず年度末進行でバタバタしている。そういう時というのは、ますます仕事が寄ってくるようで、ここ数日で2件の打診があった。だが、やむなくお断りした。どちらも取引実績のあるクライアントだったので、ぜひお請けしたかったが、現状のスケジュールに押し込むのはどう考えても不可能だった。

フリーランスの悲しいさがで、断るたびに「もう次の打診(依頼)は来ないんじゃないだろうか」と、つい考えてしまう。しまいには、「食べ物にも、金銭にも、睡眠にも、くだらんネットサーフィンにもいっさい興味がなく、仕事をする部分だけの自分のクローン(もっと高性能の方がいいし、外見もとっかえたいが、贅沢を言うとキリがないので(笑))」がいたらいいかも、という阿呆な妄想までしている。

いかんいかん、仕事しなきゃ。

「ファーストフード」か「ファストフード」か 

翻訳作業をしていて、“快餐”を「ファーストフード」と入力しようとしたら、愛用の『共同通信社 記者ハンドブック辞書 第10版 for ATOK(最新のATOK用はこれ)』が、「ファストフード」だよーん、と待ったを掛けた。

念のため、手持ちの紙版の用字用語辞典類を引いてみたところ、『朝日新聞の用語の手引(1989年版を使用。最新版はこれ)』、『NHK 新用字用語辞典 第3版』でも「ファストフード」と書け、という旨が記してある。

ほぉ~、そうなのか、と多少首をかしげながらググってみたところ、検索結果は「ファーストフード」の方が「ファストフード」よりも多かった。だよねー、私もふだんは「ファーストフード」って言ってるもんねー、と賛同者をたくさん得た思い(笑) うち、ウィキペディアの「ファーストフード」では、「ファーストフード」か「ファストフード」か、という点についての記述があり、以下の部分がとくに興味深かった。

"fast" の発音としては、欧州各国をみてみると、イギリス英語で「ファーストフッド」とのばす以外、ドイツ語・フランス語・イタリア語などでは「ファストフッド」と短い母音を使っている。 当のアメリカ英語でも「ファストフッド」と短い母音を使っている(但し、"ファ" の "ァ" はアとエの中間の音)。

日本語の"ファーストフード"というカタカナ表記については「ファストフードの方がよりネイティブの発音に近い」と言う批判があるが、これは国によって違うので微妙である。


なるほど。では、マスメディアの基準に従った表記「ファストフード」と、現状においてより広く使われている表記「ファーストフード」とどちらを選べばよいのか。映像翻訳の場合は、往々にして「NHKの基準で」とか、「朝日に準拠で」という指示が来たりするので、それに従えばいいわけだが、今作業している実務翻訳はとくにそういう指示はない。表記については自分で決めなければならない。

結局、権威(ってほどのもんじゃないけど)に弱いところがある小市民の私は、「ファストフード」で表記を統一することにした。

「経済運営が質的に向上」 

ある日、ある翻訳会社の社長(中国は解さない人)と雑談していたときのこと。同社に登録している中国語翻訳者(私ではない)からの納品物をチェックしていて、「経済運営が質的に向上」という訳があり、意味が分かるようで分からなかったとおっしゃった。読んでいて引っかかる表現だったそうだ。

その案件のソースクライアントは日本語の表現にけっこううるさく、読み流せばそう気にならないような箇所でも細かく指摘してくるので、その社長も慎重にチェックした由。

「経済運営が質的に向上」とは、いったい何が言いたいのか、というその社長の問いに、「意味はまあ、要するに『経済の状態が良くなった』ってことです」と、原語は“経済運行質量提高”ってな感じだろうと当たりをつけて、ものすごーくアバウトに答えておいた。はずしてはいないはずだ(笑)

“経済運行質量提高”は、政府やその関係者が作成した経済関連のレポートではおなじみの表現である。単に生産量が増えたり成長率が大きく伸びたりしただけではなく、質的な面での改善が見られる、というようなことを言いたいときによくそんな言い方をする。

だが、くだんの「経済運営が質的に向上」は、どこかの企業を紹介する文書の中に出てきたそうで、その前後に各種経済指標などについての言及も一切なく、それゆえに読んでいて唐突で、違和感があったらしい。

きっと自分も、その文書を訳していて“経済運行質量提高”と来たら、半ば機械的に「経済運営が質的に向上」とやったと思う。自分自身が見慣れている日本語であっても、読み手には意味がわからなかったり強い違和感を生じさせたりする可能性があるのだという、ごく当たり前のことを改めて実感した。

痩素 

痩素 shou4su4
「痩せる素」ときましたよ。何ていい響きなんだろう(笑)

この「痩素 」は、脂肪組織から分泌され、体脂肪を一定に保つためのホルモンである「レプチン」の訳語の一つだ。

『現代用語の基礎知識 2001年版』より抜粋

◆レプチン(leptin)
レプチンが脳に到達すると、体脂肪率の低下、エサの摂取量の低下、血糖量の低下などを引き起こし、代謝効率や活動量が増加するため徐徐に体重が減少する。

ヒトでは、体脂肪の割合と血中レプチン値に正の相関が認められるので、レプチン不足で肥満になるのではなく、レプチンのシグナルを伝達するメカニズムに異常があるために肥満になると考えられるようになった。


つまり、レプチンの伝達メカニズムの異常が改善されれば、肥満の人も苦労せずに体重が落ちる、というロジック(なんですよね?)。そして、それにつながる発見として最近報道されたのが、以下のニュース。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060308-00000201-yom-soci
肥満治療への道に?内臓脂肪から食欲抑える信号解明

 内臓脂肪が発信する神経シグナルが視床下部に到達しやすくする物質を解明できれば、肥満改善や糖尿病治療の新薬に応用できる可能性があるという。


すでに脳内は、飲むだけで何の苦労もせず理想の体重まで落とせる薬の妄想でいっぱいだ。想像するだけで、もやしがうずたかく盛られた上海焼きそば(麺は軟らかい方で)とか、できたてのほろほろとくずれそうな”蛋撻”(香港飲茶の定番、エッグタルト)とかと同じくらいわくわくしてくる。

そんな脳内興奮状態で、このニュースの中に出てくるレプチンは中国語でどう言うのかしらん、と思ってググってみたら、「痩素」がヒットしたわけだが、中国ではまだ訳語が固定していないもよう。ほかにも、「肥胖激素.痩激素.痩身蛋白.莱普亭(音訳)」などの言い方が見つかった。

胡椒と生姜の歌 

テレビをつけて他のことをしていたら、

♪pepper, ginger... ♪

という歌が流れてきた。

……あれ? その先の歌詞は中国語だ。そう気づいて画面を見ると、アニメの三蔵法師と悟空が『ペッパー警部』のメロディーでノリノリ(死語)に踊っている。サントリー烏龍茶のCFなのだった。

じゃあ、さっきは“Pepper警察”って言ってたのかな、と軽い疑問が残ったのだが、QianChongさんのところの記事を拝見して疑問が解決。

「警部」を北京語の“警長”と訳したところが泣かせる。単に警部に相当する北京語の役職は“警長”だからというだけでなく、往年のアニメ『猫警長』を彷彿とさせるからだ。


“警察 jing3cha2”じゃなくて“警長 jing3zhang3”だったのか。ますます“ginger”に似ている。空耳アワーだったのは、きっと私だけじゃないはず。

寡聞にして『猫警長』は知らなかった。日本でも中国でも、黒猫は働き者だ。(^^)

春はハナから 

梅の花がようやく咲きそろい、ふりそそぐ日ざしも暖かくなり、いよいよ春の訪れだ。

……などと、純粋に春を心待ちにできる人がつくづくうらやましい。こう書けば、ピンと来る人は来るだろう。そう、私はスギ花粉症である。花粉症という言葉がまだこの世になかった子どもの頃から、春先になるとくしゃみを連発し、鼻ばかりかんでいた。

幸い、花粉症の症状自体はそうひどくない方なので、花粉飛散のピーク時だけ薬を飲み、あとはマスクをしていれば耐えられる。しかも、史上最悪の飛散量といわれた昨年に比べれば、今年の症状は(まだ)だいぶ軽い。昨日は朝から鼻のムズムズ感が強まったので、今シーズン初めて抗ヒスタミン剤を飲んだ。初飲みのせいか、眠気を感じて仕事中に少し居眠りをした。だが、以前に比べると薬もだいぶ改善されていて、眠気やのどの渇き等の副作用は少ない。

しかし、重篤でない方の私でも、一つ切実に願っていることがある。「スギ花粉症の人は、所有者のいかんにかかわらず、花粉をモウモウ飛ばしているスギの木を見かけたら切ってもよい」という法律ができることだ(笑) まあ、実現の可能性はないだろうが、願望としてはせっぱつまっているのよ。

予想通りのフル稼働? 

3月に入ってからずっと受注済みの仕事を進めつつ、飛び込み的な発注、見積もり作成の依頼、仕事の打診などでバタバタしている。まあ年度末なので、こうなることは希望的想定の範囲内ではあった。昨年は、なぜか3月半ばにぼっかりヒマができてしまい、年末にしそびれた大掃除までやっていたことを思えば、とてもありがたい状態だ。

というわけで、今月は更新頻度が落ちるかもしれません。

誠信原則 

誠信原則 cheng2xin4 yuan2ze2
信義誠実の原則.信義則.“誠実信用原則”ともいう。

ちなみに、『大辞林』によると「信義則」とは、

社会共同生活の場で、権利の行使や義務の履行にあたっては相手方の信頼や期待を裏切らないように誠意をもって行うことを求める法理。


だそうだ。

中国語サイトでは、ここがズバリだった。

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私の場合、「前にも調べた記憶はあるが、訳語そのものはきれいさっぱり忘れている」という単語が山ほどある。この単語もそう。

その手の単語に出くわしたときは、まずGoogleのデスクトップ検索(何となく、いまだに古いバージョンを使っているが)で、HDD内を捜索。これを使い始めてからは、脳内に訳語を記憶させようという意欲が完全に失せたような気がする(笑)

しかし、今回はデスクトップ検索でもうまく見つからず、ウェブで探し直してようやく訳語が判明、というちょっと悲しい事態に。実はそんなケースもかなり多い。

本当ならそういう虚しい作業は避けたい。だから単語を頭にたたき込みたい、という願いもこめて、“誠信原則”を北辞郎にも登録してみた。
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